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手を触れず人が飛ぶ。あるいは手をかざすだけで倒れてしまう。
日本武術、中国武術を問わず、多くの読者がこんな光景を一度は目にしたことがあるはずだ。そしてその時、こう思わなかっただろうか?
「これって催眠術の一種じゃないの?」と。
確かに現象としては似ている。ほとんどの場合、飛んだり倒れたりするのは術者の弟子や関係者であり、意識、無意識を問わず両者の間に何らかの関係が存在している。無論、飛んで行く人間はそこに何かしらの現象、本特集で言うところの″氣″を感じているのだろうが、第三者的に見る限りは催眠術で操られているのと変わらない。
もちろん催眠術と氣か同じだとは思わないまでも、そこに何かしらの類似点があるのではないか?と考えるのもまた自然だろう。
"氣と催眠術は関係あるのか?"
今回の特集にあたり、そんな長年の疑問を催眠カウンセラーの吉田かずお氏にぶつけてみた。
吉田かずお氏。ドンキーカルテットをご存知の、ある程度のお年の方には"ジャイアント吉田"のお名前でご紹介した方がピンとくるかもしれない。
また熱心な秘伝読者であれば数年前の本誌太気拳特集(04年12月号)でご登場頂いた氏の姿をおぼえているだろう。吉田氏は柔道を講道館・三船久蔵師範の元で学び、太気拳の創始者・滞井健一師の草創期の弟子である武術家でもあるのだ。その際にも多少ご紹介したのだが、吉田氏は独学で催眠術を修得し、現在催眠カウンセラーとして活躍されている。
では催眠術はもとより、武術にも造詣の深い吉田氏は、氣と催眠の関係をどのように考えているのだろうか?
すると吉田氏は、「凄く関係ありますね。何を以て氣とするのか難しいのですが、氣と呼ばれるもののある部分に関しては催眠でもほとんど同じ事ができます。だから催眠を知ることで氣も進むし、武術は飛躍的に進歩しますよ」とお答え下さった。
仮に催眠と氣に同じ部分があるなら、その共通項を見ることで、氣のあり方も見えるのではないか?
では翻って催眠術とは何だろう?
催眠という言葉自体は既に一般的ではあるが、現実にその存在を知る機会と言えば、時折テレビで見る程度というのが実情だろう。考えてみれば知っているようで知らない催眠の世界。まずは催眠の世界へ分け入り、そこからさらに氣の世界に踏み込んでみたい。













